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内側に雨が降る傘
About this book
二〇一九年六月、金沢。感情が揺れると頭上にだけ雨が降る「雨連れ」の戸川環は、祖母ふさの訃報で、四年ぶりに逃げ出した街へ帰ってくる。祖母が遺したのは、六十年分の雨を閉じ込めた一本の和傘。紙はすでに裂けかけ、破れれば浅野川沿いの古い町に雨が一度に落ちる。傘を張り直せるのは、かつて環が手紙ひとつで別れた傘屋の息子、志賀朔だけ。いまはホテルのフロントに立ち、傘を作るのをやめた彼と、環は毎晩、作業場で向かい合うことになる。感じれば誰かを濡らす――そう信じてきた娘は、祖母の雨と、自分の雨を、受け止めることができるのか。
Book details
- Genres:
- Classic Romance, Urban Fantasy, Literary Fiction
- Language:
- ja
- Published:
- 2026-11-02
- Content rating:
- PG-13