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婚姻届は自分の字で
About this book
二〇二六年十月、大阪の区役所。六十九歳の元国語教師・芦田志津子は、七十五歳の元港湾労働者・樫村辰男が婚姻届に自分の名前を書き終えるのを、赤ペンを握らずに見守っている。証人欄に娘の名前はない。彼女はもう教壇に立っていない。亡き夫の墓にも入らないと決めた。四年前、夜間中学の教室に作業着姿で現れたこの男は、自分の名字の一字さえ書けなかった。教える者と学び直す者が、何を失い、何を選んで、この窓口までたどり着いたのか。物語は入籍の日から時間を遡り、二人がまだ何者でもなかった最初の夜へと向かう。
Book details
- Genres:
- Classic Romance, 文芸恋愛小説
- Language:
- ja
- Published:
- 2026-11-01
- Content rating:
- R