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剥がれた一行
About this book
金沢の私立大学で古文書を教える五十二歳の非常勤講師、柚木透。彼の唯一の業績は、幕末の能登・輪島の廻船問屋の娘が遺した日記の翻刻だ。最後の一行「明日は海へ入る」は、身投げした娘の物語として地元で愛されてきた。だが能登半島地震で日記の蔵が倒れ、救出された原本は、二十二年前に何も告げずに彼のもとを去った女性の修復台に載る。同じ秋、くずし字アプリを手にした教え子が、古い調査写真の隅に一枚の紙片を見つける。廃止の決まった演習の、最後の授業まであと四か月。正確さを誇る語り手は、いったい何を読み、何を読まなかったのか。
Book details
- Genres:
- Literary Fiction
- Language:
- ja
- Published:
- 2026-11-07
- Content rating:
- PG-13